「抗体カクテル療法」は誰もが受けられるわけではない
この「カシリビマブ」と「イムデビマブ」は人工的につくられた抗体で、「モノクローナル抗体」と呼ばれる。トランプ前米大統領は、このカクテル療法を採用し、1週間でコロナを完治させた。
【Q】発症7日以内でないとあまり効果がないといわれるのはなぜか?
【A】「体の中でウイルスが増殖し始めるのが、発症から1週間以内であるためでしょう。臨床試験の結果、重症化や死亡のリスクを7割以上減らす効果があることが分かっていますが、酸素吸入が必要な状態であったり、ECMO(体外式膜型人工肺)などを使用しなければならないぐらいの重症になるとあまり意味をなさない。『抗IL-2抗体』や『ステロイド剤』の投与、あるいは酸素吸入による生命維持に移ります」
【Q】変異株にも対応できるのか?
【A】「1年前、トランプ前大統領が投与された頃から有効性は認められていましたが、デルタ株など新しい変異株が出てきてからは有効性の低下が報告されました。それで、デルタ株やその他の新しい株に対するモノクローナル抗体を混合して1つのカクテルとして使用するようになり、現在に至ります。今のところデルタ株も含め、有効性の高い治療薬として承認されています。しかし、さらにこれを回避する新しい変異株が出現した場合、その株に対するモノクローナル抗体も付け加えられるように医療現場では準備が必要です」