次々と出現する変異ウイルスに従来のワクチンはどこまで効く?
9月2日時点で、WHOが「注目すべき変異株(VOI)」に指定した変異株は5種類。南米のコロンビアで最初に報告された最も新しい変異株は「ミュー株」と名付けられた。果たして次々と出現するウイルスに従来のワクチンはどこまで効くのか?
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【Q】ミュー株はデルタ株よりも強力? 従来のワクチンで対応できるのか?
【A】「ミュー株は今年初めて確認されて以来、コロンビアのほか、エクアドルでも増加傾向にあります。E484Kという変異がウイルスのスパイクタンパクに出現したものですが、あまり多くのデータがなく、今後はさらに研究が必要です。現在、WHOはイータ、カッパ、ラムダ、ミューなどを警戒しています。これらはデルタと同様、ワクチン効果を低下させたから、自然免疫の回避可能性が高いと予想されるため、注目されていますが、2度のワクチン接種で重症化は防げると考えています」
一方で「ミュー株」については東大や東海大などの研究チームの報告でもワクチンなどでできた抗体がほかの変異株よりも効きにくく、従来の7分の1以下と評価している。