コロナ収束への道<1>「いまこそ2類から5類に落とすべき」
全国有数のPCR検査・ワクチン接種をこなし新型コロナの最前線に立つ「MYメディカルクリニック」(東京都渋谷区)の笹倉渉院長は、「いまこそ、第2類を見直すべき。そうでないと危険だ」と言う。インフェクション・コントロール・ドクター(感染制御の専門的知識を有する医療従事者)でもある笹倉院長は、何を恐れているのか?
「感染症法」では、症状の重症度や病原体の感染力などから、感染症を「1~5類感染症」の5段階と「新型インフルエンザ等感染症」「指定感染症」「新感染症」の合計8つの区分に分類している。
新型コロナは、「新型インフルエンザ等感染症」に含まれ1~2類相当として扱われている。そのため、「SARS」(重症急性呼吸器症候群)や「結核」と同じ強い処置を取ることが可能になっている。たとえば、症状がない陽性者を含めた入院勧告や就業制限、濃厚接触者や感染者の追跡、感染症指定医療機関への入院などだ。
しかし第5波では、このことがあだになった。感染者の増加で保健所や医療機関の業務が逼迫し、自宅待機が急増。治療が必要な患者を医療機関に運べず、助かる命を助けられない事態に陥った。