コロナ収束への道<1>「いまこそ2類から5類に落とすべき」
「いまは開業医が大病院と連携を強化したくても、2類である新型コロナ患者さんの直接連携はできません。コロナ陽性発生届を出し、あとは保健所主導で動くからです。目の前に重症化した新型コロナの患者さんがいれば、すぐに病院に電話して受け入れ可能か聞きたい。しかし2類指定では動けないのです。5類になれば、開業医も重症化しそうな危ない患者さんを直接大病院へ送るという従来通りのトリアージ機能を果たし、治療に参加できる。むろんしっかり感染対策をしたうえですが、医師も看護師も医療連携も動きやすくなるのです」
■97%の患者が軽症、無症状で治癒
9月8日に厚労省が発表した資料によると、新型コロナウイルス感染症患者の97%は軽症、無症状のまま治癒している。死亡者は1%、重症者は1.6%。致死率2%未満の病気は、世界的にもはや特別な病気ではない。
「医学的に第2類指定感染症になるのはSARSや新型インフルエンザのように、治療法もワクチンによる予防法もない疾患です。ワクチン接種が進み、治療薬も出てきたいまの新型コロナは、2類指定を外すいい契機です。5類になれば自宅療養者、自宅難民は減り、致死率、重症化率も下がるでしょう。野戦病院よりも何よりも、本来の医療インフラ、地域医療包括システムに委ねるほうがよほど効率的であり効果的です。ところが、2類を錦の御旗に社会全体が恐怖に包まれ、敏感になりすぎている気がします。抗体カクテル療法などの新しい治療法も始まったいま、急変するリスクを最小限にし、命を救いたいと考える医療者は大勢いるのです」