著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

佐野史郎さんがTVで公表 多発性骨髄腫は幹細胞移植の成否がカギ

公開日: 更新日:

 その症状の一つが免疫機能の低下で、ふだんは風邪をひかない人も風邪をひいたりします。当初の発熱は、この免疫機能の低下によるものでしょう。がん化した形質細胞は骨に集まって腫瘍を形成することもあり、骨量が減少します。それが生じやすい骨が骨盤や脊椎、肋骨などで、骨の痛みや骨折もよくある症状です。腰痛も、このせいかもしれません。

 前述したMタンパクの断片は、最終的に腎臓に集まり、ろ過機能を障害するため、腎機能障害を起こします。これが3つ目です。

「(発表した)腎機能障害はその通りで、血中の白血球の数値の異常から腎機能の低下が分かり、そこから詳しく調べたところ多発性骨髄腫と判明した」のが診断までの経緯だと語っています。

 佐野さんが経験した症状のほかには、赤血球の低下による貧血や息切れ、血小板の異常による出血などが見られるほか、骨の破壊が進むと、血液検査で血中カルシウム値が高くなり、口が乾くことも珍しくありません。骨粗しょう症と誤診されて診断が遅れることもあり、要注意です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」