終わりの始まり?オミクロン株の重症化リスクに関する研究データ
昨年11月、南アフリカで最初の感染者が見つかった新型コロナウイルスのオミクロン株ですが、日本でも急速に感染が拡大しています。これまで世界中で猛威を振るっていたデルタ株よりも変異の箇所が多く、感染力の強さやワクチンへの耐性などが懸念されています。一方、南アフリカから報告されたデータによれば、オミクロン株による重症化リスクは従来株よりも低いことが示されていました。
そんな中、オミクロン株とデルタ株の重症化リスクを比較した研究結果が、健康科学に関する未発表論文を掲載しているインターネットサイト(プレプリントサーバー)「メドアーカイブ」に2021年12月27日付で掲載されました。
この研究では、2021年11月22日から12月25日までの間にカナダで報告されたオミクロン株感染例1万1622人、デルタ株感染例1万4181人が対象となりました。このうち、オミクロン株感染例では入院が59人(0.51%)、死亡が3人(0.03%)だったのに対して、デルタ株感染例では入院が221人(1.56%)、死亡が17人(0.12%)でした。統計解析の結果、オミクロン株はデルタ株に比べて、入院もしくは死亡例が65%、集中治療室への入室もしくは死亡例が83%、統計的にも有意に低いことが示されました。