著者のコラム一覧
青島周一勤務薬剤師/「薬剤師のジャーナルクラブ」共同主宰

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

新型コロナによる生命の損失は世界31カ国・地域で2800万年超

公開日: 更新日:

 新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)は、人々の健康状態に甚大な影響を与えました。米国では、2020年の主要死因ランキングで、新型コロナウイルス感染症が3位となり、戦後はじめて国民の平均寿命が低下しました。

 米国以外の国や地域でも、同様の影響が想定されますが、これまで平均余命の変化について検討された質の高い研究データは限られていました。そんな中、新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界各国の平均余命にどのような影響がもたらされたのかを検討した研究論文が、英国医師会誌の電子版に2021年11月3日付で掲載されました。

 この研究は、死亡率に関して信頼性の高いデータを入手できた37の国や地域(日本を含まず)を対象に、新型コロナウイルスのパンデミックによって失われた平均余命の年数を解析しています。失われた平均余命は、新型コロナウイルスのパンデミックが起こらなかった場合の平均余命の推定値から、2020年における平均余命を差し引くことで算出されました。

 解析の結果、平均余命の低下が認められたのは31の国や地域でした。失われた平均余命はロシアが最も多く2.32年、次いで米国が1.98年となっています。一方で韓国、デンマーク、アイスランドでは平均余命の短縮は認められず、ニュージーランド、ノルウェー、台湾では平均余命が上昇していました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動