くも膜下出血は発症2週間で人生が決まる 手術成功でも死のリスク
「くも膜下出血は発症2週間で患者さんの人生が決まる。医療スタッフは術後も細心の注意を払って集中管理をしなくてはなりません」
■20年以上ぶりに画期的な新薬が登場
今回、薬が発売されたのは、脳血管攣縮に対してだ。一般的に、くも膜下出血発症後5~14日の間に起こる。
「くも膜下出血でさまざまな物質が放出され、それらによって血管が一過性に細くなります。くも膜下出血の程度がひどいほど起こりやすいのですが、誰に起こって、誰に起こらない、というのは検査ではわかりません。重度の脳血管攣縮では脳梗塞へ移行してしまう。その程度が高ければ命を落としてしまう。くも膜下出血の術後、脳血管攣縮をいかに対処するか。脳外科医の力の注ぎどころなのですが、脳血管攣縮に対して『行うように強く勧められる(推奨度A)』治療法はこれまでありませんでした」
脳血管攣縮の薬が日本では2種類承認されているものの、いずれも20年以上前のもの。ガイドライン2021年版では「推奨度Bエビデンスレベル低」。