盲腸の根治的治療は手術 薬物治療だけでは再発する可能性あり
虫垂炎は、一般的には盲腸という呼び名で知られている病気です。
虫垂とは、小腸から大腸に切り替わるあたりに付属する管状の臓器ですが、ここに何らかの原因で炎症が起きることで虫垂炎になるわけです。
典型的な虫垂炎の症状としては、まずみぞおちからへその上周辺に痛みが起こり、その後、吐き気や食欲不振といった症状が現れ、その後にへその右下あたりの下腹部の痛みが続きます。中には発熱を伴う場合もあります。
治療は2つ。「薬で散らす」と言われる抗生物質による薬物療法と、手術です。
最近では、虫垂炎がひどい場合も含め、まずは抗生物質で症状を鎮め、落ち着いたタイミングで改めて手術で虫垂を切除する流れが一般的になってきました。緊急で手術を行う場合と比べ、手術前の検査や準備をきちんと行えることがメリット。術後の経過も安定するので、社会復帰も早くなります。
患者さんの中には、「薬で痛みなどの症状が消えたのだから、手術の必要がないのでは?」とおっしゃる方、また手術をせずにそのまま過ごされている方がいます。根治的治療である虫垂切除を行うか否か、医師によって対応はまちまちですが、きちんとした説明と選択肢が与えられるべきだと考えます。