地元の病院で治療を受けていたが、次女家族が暮らす東京へ
そこでこの連載では、「親が/配偶者が/自分が在宅医療を受けたいと思った時、知っておくべきこと」をテーマに、私が実際に会った患者さんの例も織り交ぜつつ、お話をしていきたいと思います。
■「希望の治療」は診断情報提供書で情報共有
さて第1回の今回は、地元の病院で治療を受けていたのが、その後、転院となった患者さんのケースを紹介しましょう。
その患者さんは、子宮頚がんと腎盂炎を患う80歳の女性で、九州地方のとある離島で一人暮らしをされていました。自宅近くの病院に通院し治療を受けていたのですが、病状が進み、これまで通りの生活が困難になったため、東京に暮らす次女家族のもとへ。それに伴い、都内の病院に転院することになりました。
当初は入院し、治療。両側にたまった胸水が取れ、呼吸状態が改善し、下肢のむくみもなくなってきたので通院治療を検討した矢先、腎盂炎が悪化。治っていた胸水、下肢浮腫が再び増悪し、入院が続行となりました。
その女性は地元の病院に通っていた時から「最期は自宅で迎えたい」という希望があり、それを主治医に伝えていました。