「沈黙の臓器」腎臓の病気に在宅医療の専門医はどう対峙しているのか?

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 つまり腎機能が低下すれば薬は「病気を治す」ものではなく、「症状の緩和」「進行抑制」を目的にするしかなくなる。

 腎不全の進行は尿検査と血液検査で確認できる。尿のアルブミンの量が過剰なら、腎臓の糸球体に問題があり、腎不全を来している可能性が高い。

「血液検査では『eGFR』という指標を見る必要があります。年齢、性別を考慮したうえで血清クレアチニン値を評価するもので、腎臓にどれだけ老廃物を尿へ排泄する機能があるかを示しています。この値が低いほど腎臓の働きが悪いことになります」

■人工透析を選択しない場合は?

 腎臓の働きが悪くなれば「人工透析」が必要となる。しかし、透析を選べば、人生におけるそれなりの時間の制約が生まれる。その代わり、それ以外の時間における症状の改善や多少のわがままな食事が許される。透析を選ばなければ食事などの制限を強いられることになる。

「透析の導入は、患者さんが残りの人生をどう暮らすかを選択する一大事です。在宅診療では、『透析導入』により患者さんの全身状態が改善し、余命を伸ばす場合もあります。そのため定期的に採血をし、症状を見ながら透析導入を勧めることもあれば、透析せずに投薬調整により対症療法を続けることもある。選択の指標は、単に『医学的な正しさ』だけでなく、患者さんの人生の充実度の側面が大きいのです」

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