人工透析患者ががんになっても抗がん剤治療は不可能ではない
がんの発生の多くは遺伝子異常が突然起こってしまうことによります。がんの罹患数が増加している原因のひとつは、老化、つまり高齢社会にあるようです。高齢者は、免疫能が落ちる=がんが発生することに対するチェック機能が落ちてきて、罹患しやすくなっているのです。
2019年の「全国がん登録」によると、日本でがんと新たに診断された人は99万9075人で、男性の1位は前立腺がん(9万4748人)、女性は乳がん(9万7142人)でした。2020年にがんで亡くなった人は37万8385人(男性22万989人、女性15万7396人)で、死亡総数の27.6%を占めています。1981年以降、39年連続で死因のトップです。
一方、人工透析の患者数も少しずつ増えています。2019年の日本の人工透析患者数は約34万5000人、平均年齢は69歳となっています。
人工透析に至った原疾患で最も多いのは糖尿病による糖尿病性腎症、次いで慢性糸球体腎炎、第3位は腎硬化症でした。
人工透析を受けるだけでも大変なのに、透析中にがんに罹患される方もおられます。人工透析患者の死因は、心不全26%、感染症22%、そしてがんは9.3%を占めています。