古谷彰子
著者のコラム一覧
古谷彰子愛国学園短期大学准教授

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

【馬肉】タンパク質は牛肉とほぼ同じでエネルギーはササミ並み

公開日: 更新日:

 約2000年前にモンゴルから家畜として日本に伝わった馬。熊本城を築いた加藤清正は、豊臣秀吉と朝鮮出兵中、食糧難に陥り軍馬を食べました。そのおいしさを帰国後に広めると、領地の熊本で馬刺しが有名になり、全国に広がっていったとされています。

 江戸時代も馬肉を食べる文化がありました。体を冷やす効能から風邪に効くといわれていて、現代の民間療法にも根付いているそうです。「さくら肉」は馬肉を指しますが、これには諸説あり、肉食を禁止されていた江戸時代の隠語だったという説、馬肉が桜色のように見えたからという説、千葉県の「佐倉」に幕府牧場があり、多くの馬が放牧されていたからという説、桜が咲く季節に脂がのっておいしい肉だからという説などさまざまです。

 そんな馬肉は他国ではあまり食べられていないのが現状でした。しかし、馬肉の栄養価の高さが評価され、西ヨーロッパのいくつかの国で消費量がゆっくりと増加しているそうです。

 部位によって若干の誤差はありますが、赤身の馬刺し(ロース・イチボ・丸モモなど)のタンパク質は牛肉と同じ20グラム/100グラムにもかかわらずエネルギーはササミとほぼ同じの110キロカロリー。鉄分とカルシウムは豚肉や牛肉の2~4倍あることがわかっています。また、通常の食事では摂取することが難しいビタミンやミネラルが豊富で、目の健康に必要なビタミンAや抗酸化作用のあるビタミンEが多く含まれます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

    巨人入り若林楽人「4番気取り」なら新天地でも“塩漬け”不可避…打撃に求められる意識改革

  2. 2
    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

    大谷翔平を激怒させたフジテレビと日本テレビ…もっと問題なのは、情けない関係修復の仕方だ

  3. 3
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 4
    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

    3選狙う小池都知事は情勢調査「一歩リード」も圧勝遠のき焦り…街頭演説も聴衆スカスカ

  5. 5
    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚

    マイナンバー「1兆円利権」山分け 制度設計7社と天下り官僚会員限定記事

  1. 6
    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

    巨人が「同ポジション」緊急トレードで企む真の狙い…松原を西武に放出、若林を獲得

  2. 7
    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

    高橋一生「ブラック・ジャック」高視聴率も続編困難か…永尾柚乃“完璧ピノコ”再現に年齢の壁

  3. 8
    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

    小池知事は都知事選TV討論すべて拒絶…蓮舫氏が街頭演説で暴露し「逃げないで」と訴え

  4. 9
    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

    永尾柚乃はもはや子役にあらず …すでに「助演女優レベル」の納得エピソード

  5. 10
    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声

    高橋一生「ブラック・ジャック」の不安材料? ドクター・キリコ=石橋静河にやはり疑問の声