従業員の健康管理が企業の業績や株価の向上につながる? 日本企業1593社が対象
労働者の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することを「健康経営」と呼びます。
企業が従業員に対して健康投資を行うことは、従業員の活力や生産性の向上をもたらし、結果的に業績や株価の上昇につながると期待されています。
経済産業省では、健康経営に係る各種顕彰制度として、2014年度から「健康経営銘柄」の選定を行っており、16年度には「健康経営優良法人認定制度」を創設しています。
しかし、労働者に対する健康投資が企業の業績と関連しているかどうかについてはよく分かっていませんでした。そんな中、健康経営と企業収益の関連を検討した研究論文が、公衆衛生学の専門誌に22年9月23日付で掲載されました。
この研究では、日本企業1593社が対象となり、経済産業省が実施している健康経営度調査の結果と、17~20年度の企業財務データが解析されています。対象となった企業の従業員は平均40.3歳、女性比率は25.8%、勤続年数は14.2年でした。また、解析された企業の業種は、通信業(12.4%)、小売業(11.2%)、金融業(8.7%)、卸売業(7.3%)、電気製造業(5.9%)、建設業(4.3%)、化学業(4.1%)などでした。