物忘れや無気力の症状は「甲状腺機能低下症」のせいかもしれない
甲状腺は、のどぼとけの下にあるチョウが羽を広げたような臓器。ここでは甲状腺ホルモンというホルモンが作られており、血液によって脳、心臓、肝臓、腎臓などさまざまな臓器に運ばれていきます。
この甲状腺ホルモンの重要な働きが、体の新陳代謝を活発にすること。血液中の甲状腺ホルモンの量が少なくなり、必要な働きができなくなった状態を「甲状腺機能低下症」といいます。
症状としては一般的に、疲労感、むくみ、皮膚乾燥、寒がり、体毛の脱毛、体重増加、便秘、傾眠、月経異常など。甲状腺機能低下症の症状は徐々に出てくる上、軽度のうちは目立った形では出てこないこともよくあるので、本人も、周囲も気づかないことは珍しくありません。
そして本連載でみなさんに知っていただきたいのは、甲状腺機能低下症には、認知症と似た症状もあるということです。それが記憶障害や思考力低下、無気力さです。徐々に物忘れがひどくなったり、ぼーっとするようになったり。
■海馬の歯状回の細胞サイクルが低下