介護施設に入ったことで認知症の症状が悪化するケースはある?
また、食事や着替えなど日常生活をすべて職員にサポートしてもらうことは、行動が制限されて認知症の症状が進行するリスクがあります。体を動かさなくなり、筋力の低下によって寝ていることが多くなれば、久々に面会した家族は「症状が悪化した」と感じるでしょう。施設の方針を確認し、職員と相談して、できることは本人に任せるように頼みましょう。
そのほか、施設によりますが、認知症の症状を遅らせる目的でリハビリテーションやストレッチなどの時間を取り入れているところもあります。このような視点で施設を選ぶのもポイントです。
▽宇井睦人(うい・むつひと) 2007年、順天堂大学医学部卒業。都立病院で5年間の研修を受け、離島・へき地医療を含めた総合診療、また主にがん患者を対象として複数の緩和ケア病棟・緩和ケアチーム・在宅を含めた包括的な診療を学ぶ。医療現場でテクノロジーを活用したいと考え、デジタルハリウッド大学大学院に特待生として入学。初の単著「緩和ケアポケットマニュアル」が19年の日本内科学会ベスト売り上げランキングにランクイン。