お腹が痛い…胃だけではなく「胆道がん」もチェック 受診が遅れる、見つかった時は末期がん
「受診したとして、胃については調べても、胆道までは調べないかもしれません。胃内視鏡検査で問題なかったから大丈夫とはせず、胆道の異常も念頭に置き、検査をしてくれる医療機関を受診した方がいい」
続いて、「倦怠感があった(26%)」「黄疸がでた(25%)」「便の色が変わった(24%)」。
黄疸とは、皮膚や白目が黄色くなったり、尿の色が濃くなること。がんで胆汁の通り道が狭くなり、胆汁が胆管から逆流して血管の中に入り、胆汁に含まれる黄色い色素ビリルビンで、黄疸が出る。便の色が変わるのは、胆汁が腸に流れないためだ。白っぽい便になる。
「胆嚢がんでは黄疸はほとんど出ませんが、肝外胆管がんでは早い段階で黄疸が出ます。尿が紅茶のように茶色になっていたら、ためらわずに受診してください」
胆道がんの確定診断では胆汁の細胞診や病変部の組織生検が用いられる。しかし胆汁細胞診の診断率は40~60%。何度か行ってもがんを証明できないケースがある。胆道がんの治療経験などが少ない医師が、結果が出ないからと細胞診を繰り返していれば、手術ができるタイミングを逃してしまうかもしれない。
調査では「胆道がんと確定診断されるまで複数の医療機関を受診した」という人が58%いたが、どこを受診すればいいか悩んだ時は、日本肝胆膵外科学会のホームページを利用する手がある。胆道がんは専門医が少ない。HPでは、専門医・指導医や、高度技能施設を探すことができる。