長く続く白い便と茶色の尿…胆道がんのサインを見逃すな
胃のバリウム検査を受けたわけではない。にもかかわらず「クリーム状の白っぽい便」や「薄い黄色の便」が続いている。しかも「濃い茶色の尿」も出て皮膚もかゆい。そんな中高年は病院で検査を受けた方がいい。便は健康のバロメーター。白い便には恐ろしい病気が隠れている可能性がある。日本消化器内視鏡学会内視鏡指導医で国際医療福祉大学病院内科学の一石英一郎教授に聞いた。
「白い便が出た患者さんで多いのは胆管結石症などの結石による病気です。時々右の肋骨下辺りが痛むことがある人はその可能性が高い。2番目はがんです。胆管がん、胆のうがん、乳頭部がんなど胆汁の通り道である胆道にできるがんか、肝臓がんなどが疑われる。あとはノロやロタウイルスなどの感染症が考えられます」
健康な人の便の色は茶色や黄色だ。それは肝臓で作られる胆汁が便に混じるからだ。胆汁には胆汁酸と呼ばれる消化酵素とビリルビンという黄色の色素が含まれている。それが便を染めることで便に色がつくのだ。白い便が出るのは胆汁が便に混じらず、便がビリルビンで着色されないから。その原因は、胆汁が流れる経路(肝臓から十二指腸まで)のどこかが狭くなったり閉塞したりして胆汁の流れが止まったか、胆汁を作る肝臓の能力そのものに問題があるかだ。