米国で未成年トランスジェンダーへの医療禁止法が続々成立のナゼ
アメリカの保守州で、未成年のトランスジェンダーに対する医療を禁止する法律が、続々と成立しています。3月16日にはフロリダ州が、アメリカの8つ目の禁止州になりました。ケンタッキー州でもほぼ同様の法律が議会を通過。若いトランスジェンダーへの医療問題は、中絶禁止に続きアメリカの文化・政治的な戦いの焦点になっています。
今回の法律により、フロリダでは18歳未満の子供たちは、思春期の性徴を抑えるホルモン治療が受けられなくなります。この治療をすでに始めている人はそのまま続けることができますが、性別適合手術は禁止されます。これに対し親たちは、裁判に訴える意志を表明しています。
アメリカにはトランスジェンダーの若者はどのくらいいるのでしょうか?
ワシントンDCのシンクタンク・ピュー研究所の調べによれば、アメリカの18歳から29歳の3%が、自身をトランスジェンダーと自覚しています。また成人の4人に1人が、トランスジェンダーの友達がいると答えています。
興味深いのは、6割のアメリカ人が「性別は生まれ持ったものであるべき」と考える一方で、6割以上が「トランスジェンダーは社会で差別されるべきではない」と答えていることです。多くの人の気持ちが揺れ動きつつも、人権だけは等しく守られるべきと考えているのがわかります。