保守判事の経口中絶薬販売禁止判決でアメリカは再び混乱
テキサスの連邦判事が、経口中絶薬ミフェプリストンの販売を全米で禁止する判決を下し、衝撃が走っています。
ミフェプリストンは、ミソプロストールと共に薬剤による人工妊娠中絶に使われる薬で、アメリカでは2000年にFDA(食品医薬品局)が認可。それ以降23年間、安全で効果のある薬として、主に妊娠初期に使用されてきました。
現在はアメリカの中絶の過半数は、薬によって行われています。フランスでは最も早い1988年に認可、他のヨーロッパ各国、カナダ、中国などでも一般的に使用されています。
ところがテキサス州の連邦地裁判事はFDAに対し、薬の認可に疑問の余地があるとして、販売の停止を命じました。
アメリカで人工妊娠中絶は、昨年6月の最高裁判断により、14州で違法となっています。しかし今回の判決により、ニューヨークを含め合法の州でも、薬を買うことができなくなる。つまり、よりお金がかかりリスクも高い、手術しか手段がなくなることになります。
何より20年以上問題なく使われていた薬が突然禁止になるという、前代未聞の事態に驚きと怒りの声が広がっています。