「米ぬか」はアルツハイマー病の治療に役立つのか…医師主導研究がスタート

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 無作為化比較試験とは、研究の対象者を2つ以上のグループに無作為に分け、効果を検証すること。効果を公平に比較できるので、信頼性の高い試験とされる。

 また医師主導研究とは、わが国で多い製薬会社の資金援助などで新薬承認といった営利目的に行われる研究とは異なり、新たな科学的知見の検証を目的として研究者自らが発案し、自らの責任において準備から管理を行う研究を目指すものだ。今回の宗医師らの研究では、軽度のアルツハイマー型認知症と診断されている(それ以外の認知症とは診断されていない)、65歳以上85歳以下の男女が対象。

「軽度とは、自分1人で衣類を選んで着替えられたり、自発的にシャワーや入浴が可能なレベルの方を指します」

 抗認知症薬のドネペジルを1日5ミリ、1カ月以上内服できていることも条件。研究中もドネペジルの服用は継続する。ここに米ぬか配合のサプリメントかプラセボがプラスされる。期間は約1年間。

「実は先進国では新たな認知症発症は減少傾向にあり、米国でも65歳以上の新たな発症率は約10年間で24%減少。その理由として食生活を含めた生活習慣(病)の改善が大きいとみられています。近年アルツハイマー病は、『脳の糖尿病』と称されており、栄養学的アプローチは眉唾の民間療法ではなく、新たな認知症治療の希望の星として医学的に期待されているのです。日本の歴史と文化を育んだ米が、認知症治療に寄与できるのではないかと、臨床研究の結果に期待しています」

 薬以外の選択肢が増えるとしたら、喜ばしいことだ。

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