著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「損したくない」と思うほど損をする…焦りが判断を誤らせる

公開日: 更新日:

「せいては事を仕損じる」という言葉があります。何事も焦ってしまうとミスが生じやすい。ケアレスミスなどは、まさにその典型ではないでしょうか。

 焦りや不注意など人間がミスを誘発する要因はさまざまですが、北海道大学の村田による実験(2005年)は、とても興味深い事例だと言えます。

 12人の被験者を対象に、映し出された矢印の向きと同じ向きの矢印のボタンを押してもらいました。その際、3つのグループに分けて行ったといいます。

①正解しても失敗しても特に何もないグループ

②報酬500円からスタートし、間違うか、時間内にボタンを押さないと1回につき2.5円が引かれてしまう“罰金”のあるグループ

③報酬0円からスタートし、1回正解するごとに2.5円がもらえる“成果報酬”のグループ

 この実験では、罰金や報酬がミスとどのような関係があるのかを調べたわけですが、なんと②の罰金のあるグループだけが、①と③のグループに比べて大幅に低い正答率になったといいます。通常なら難なくできることであっても、時間内に正解しなければいけない、あるいは報酬が減ってしまうというプレッシャーから焦りが生まれ、ミスが増えてしまったというわけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇