白内障手術失敗体験談(8)「医療ミスではないのか?」執刀医に尋ねてみた
──これまでに手術中に後嚢破損した症例はありますか?
「後嚢破損だけなら手術を続行して人工レンズを嚢外に装着できます。今回は破損だけでなく核片が飛び散ったので、手術の続行は無理だと判断しました」
こうした説明に納得したわけではありませんが、最後に院長は「手術がうまくいかなくて申し訳なかった」と謝罪してくれました。
手術前に署名した「手術承諾書」には、「術中の合併症として後嚢破損したとき」のことが書いてありました。私の場合、「医療ミスではないか」と主張しても、この承諾書を盾にとられると反論しづらいのです。
調べてみると、「白内障手術の医療ミスで病院側に慰謝料・賠償金の支払いを命じた判決」もいくつかあるようです。ただ、いずれの場合も「失明」した患者が原告として提訴しています。幸か不幸か「視力が元に戻った私」には当てはまらないようです。
後嚢破損は500分の1の確率で起きる術中合併症です。白内障の手術のリスクは決してゼロではありません。もしものときを考えて、白内障の手術経験が豊富な総合病院にお世話になるのが一番だといまは考えています。(おわり)