白内障手術失敗体験談(5)「月に数件、同じような患者が運ばれてくる」
「私には手に負えない」と、白内障手術を途中で放り出した眼科医院は、救急車は呼ばなかったものの、さすがに移送先の大手総合病院の予約はとっていました。右目にガーゼを当てながらタクシーで大手総合病院に到着すると再び眼底検査などがあり、「まず硝子体に散らばった黒い核片をきれいに取り除きます」と言われました。
それから、「眼内レンズを入れることになりますが、水晶体嚢が使えるようならそちらにレンズを入れますが、もし水晶体嚢が使えないときは強膜固定といって眼球の白目に眼内レンズを直接固定することになります」との説明があり、「もし手術中に出血などの兆候が現れたら手術を途中でやめることもある」とのことでした。
後にわかったことですが、この大手総合病院は地元でも眼科の評判がいい病院でした。看護師にちらっと聞いたところ、「月に数件、同じような患者が運ばれてくる」といいます。だから「先生に任せておけば、心配しなくて大丈夫」と言われました。
ここまできたら“まな板のコイ”。病院に駆けつけ、付き添ってくれた前妻は「前期高齢ですけどまだ現役で仕事をしているので、なんとかお願いします」と頭を下げてくれました。