小細胞肺がん余命を3倍に延ばす…革新的治療薬を米FDAが認可
FDA米食品医薬品局が肺がん患者のための革新的な治療法を承認し、ニュースになっています。
小細胞肺がん(SCLC)は、肺がんの中でも進行と転移が非常に速く、転移しやすい悪性度の高いがんとされています。喫煙により発症することが多く、中高年の男性に多い肺がんでもあります。アメリカでは毎年約3万5000人が小細胞肺がんと診断されていますが、発見された時には肺の外に転移しているのが通常だといいます。
小細胞肺がんの治療法は過去数十年間、ほとんど進歩していませんでした。化学療法と免疫療法を組み合わせた治療がありますが、一度治癒しても95%の確率で再発するというデータもあります。
しかし、今回承認されたアムジェン社の新たな免疫治療薬タルラタマブは、これまでの治験では、患者の余命を3倍に延ばし、服用後の生存期間の中央値は14カ月と報告されています。また薬を投与された患者の4割に効果があったとのことです。
タルラタマブは二重特異性抗体で、T細胞とがん細胞との間に複合体を形成し、これによりT細胞を活性化させて腫瘍細胞を溶解させる仕組みです。