過敏性腸症候群でもう悩まない(3)30代男性は周囲に打ち明けられた安堵感から腹痛が減少
「過敏性腸症候群(IBS)」の治療は、薬物療法や生活改善が基本になる。治療と並行しながら、自分なりの対応策を見つけ、症状とうまく付き合っている人のケースを紹介する。
某大手企業で働く30代の男性は、繁忙期は帰宅時間が午前3時を過ぎ、多忙による精神的ストレスで約2カ月前に下痢型のIBSを発症。重要な会議や商談の直前など、緊張すると腹痛や下痢に襲われやすく、腸の過活動を抑える薬「イリボー(一般名ラモセトロン塩酸塩)」を処方され、毎朝服用していた。
それでも症状が完全に改善されることはなく、取引先との会議に遅れたり、中座する日々が続いた。そこで、悩んだ末に同僚や上司、取引先にIBSと診断された旨を伝えることにした。
周囲に打ち明けられた安堵感からか不安や焦りが軽減し、次第に腹痛を起こす頻度が減少。それでも万が一に備え、腹痛に襲われても焦らないように、取引先や会食場所のトイレの位置を事前に調べて頭に入れておいた。
すると、それが安心材料となって症状が改善され、服薬治療を終了した。