上腸間膜動脈解離…いつもと違う腹痛は命に関わる血管トラブルの危険あり

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 上腸間膜動脈解離の8割程度は、真腔が完全に詰まることなく虚血を起こさないパターンで、その場合は血圧管理、補液や絶食などによる保存的治療で経過観察になるケースが多いという報告がある。ただ、残りの2割では、真腔が詰まって急性腸管虚血を起こすため、迅速に血管内カテーテル治療や手術をして、血管を再開通させる治療が必要だ。治療が遅れれば、当然ながら死亡リスクは高くなる。

 冒頭の50代男性は、幸いにも真腔が閉塞することなく血流が維持されていたため、一命を取りとめ、保存的治療だけで済んだ。3日ほど腹痛が続いた後、強い痛みが出た時点で近所のクリニックを受診し、すぐ急性期病院を紹介されて詳細な検査を受けたことが最悪の結果を避けられた一因になったといえる。担当医からは「ラッキーだった」と言われたという。

「動脈が解離を起こす主な要因は、高血圧、喫煙、高血糖や高コレステロールなどの生活習慣病による動脈硬化が挙げられます。今後は、日頃から血圧のコントロールと生活習慣の改善が大切です。また、上腸間膜動脈解離は他の動脈解離と合併するケースも少なくないため、大動脈や末梢の動脈の画像検査(造影CT検査など)をしっかり受けておく必要があります」

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