災害時の応急処置(3)添え木や三角巾を使って固定することを考える
骨が露出している場合は清潔なタオルで覆う
添え木は硬くて長さがあるものならなんでもいい。たとえば自宅であれば、毛布や傘、長い靴べら、突っ張り棒、定規、子供用のバットなども添え木として使えるという。また、雑誌の長さが足りないときは、2冊を組み合わせて1本の添え木にする方法もある。2冊の雑誌を、骨折の箇所に必要な長さになるよう上下に並べ、一部を重なるようにする。トランプのカードをシャッフルする時のように、ページが互い違いになるよう組み合わせると、強度と長さを備えた即席の添え木が完成する仕組みだ。
「骨が皮膚を突き破って露出してしまっている場合は、それを無理に戻そうとしないでください」と警告するのは、同じく東京消防庁救急部の木村和巳消防司令だ。
「そもそも痛みが強くてそんなことはできないと思いますが……。開放骨折というのですが、そのような骨折に関しては、なるべく清潔に保ちたいので、できれば清潔なガーゼやタオルなどで覆う感染防止処置をしていただきたい。雑菌などで汚染された状態で体の中に戻してしまうと、感染症になる恐れがあります」
骨折時は添え木や三角巾を使用して固定し、清潔な状態を保つ。それだけは覚えておきたい。