災害時の応急処置(3)添え木や三角巾を使って固定することを考える
災害時のケガとして多くの人が不安に思うことのひとつが「骨折」ではないだろうか。家が倒壊し、がれきの中で、自分あるいは家族が骨折して取り残され……。想像しただけでも絶望的な状況だ。そんな時、どのように応急処置をすればいいのだろう。
「病院で診てもらうまでは、できるだけ動かさないというのが原則です。変形した状態を元に戻す必要はありません」
こう話すのは、東京消防庁救急部の上曽一永消防司令補だ。
「腕や足を骨折したときに、一般の方ができる応急処置となると、『添え木や三角巾を使用して固定する』ことを考えてください。悪化防止となり、移動する際の痛みを和らげることもできます。添え木に関しては、手近にちょうどいい長さの板がない場合もあるでしょう。その際は段ボールや新聞紙、雑誌などを添え木の代わりに使用してください」