認知症の「軽症リハ」では具体的にどんなことを行うのか
軽症の段階では、記憶障害に加えて、注意障害、見当識障害が現れるため、それまでできていたことが徐々にできなくなってきます。そのため、日常生活において、料理が嫌になった、掃除や洗濯をしたくない……といった意欲の低下がみられるようになります。その際、「嫌ならばやらなくてもいいですよ」などと敬遠させてしまうと、その作業のすべてができなくなっていきます。ですから、本人にその作業を継続してもらうことが重要になります。
■自分でできることはやってもらう環境を整える
そのために必要なのが、何ができなくて困っているのかを整理し、その作業の工程をシンプルにしたうえで、繰り返し行ってもらうことです。たとえば、調理の場合、献立を決め、食材を用意し、使う道具を選択するなど工程が複雑なので、認知症の患者さんは調理すること自体がおっくうになります。そこで、患者さんは調理をする際に何ができないのか、どこに困っているのかを整理し、できないことや困っていることだけを周囲がサポートして、工程をシンプルにしたうえで、本人にはできることだけをやってもらうようにします。