軽度認知障害から認知症に移行させないためには何をすべきか
近年、認知症を予防する上で最も欠かせないとされているのが「社会交流」です。
ある70代前半の男性は、MCIと診断されてから認知症を予防しようと積極的に地域のボランティア活動に参加されていました。ある時、家族の勧めで試験監督のアルバイトに応募したところ、具合の悪くなった学生への救護・そのアフターケアに迅速な対応をしたことで評価され、週2回は仕事を依頼されるようになったそうです。その後も教室の出入りを円滑にし、監督しやすい机の配置に関する改善点を会社に報告するなど、熱心に仕事に取り組むうちに、今では数十人のアルバイトのまとめ役にまで出世されました。
仕事は報酬を受け取る以上、責任が生じるので自ら主体となって動きます。また仲間とのコミュニケーションを通じて脳が刺激されると、認知機能の低下を防げるのです。この男性はMCIと診断されてから6年経った現在も、認知症を発症することなく過ごされています。
仕事はハードルが高いといった方であれば、登下校の見守りボランティアもお勧めです。仲間と交流することで脳が活性化されるだけでなく、子供たちからは慕われ親御さんからは感謝されるので、やりがいや生きがいにつながりやすい。