義足生活を快適にさせるパーツとは…摩擦を防ぎ足を保護
病気やケガで足の切断を控える方の中には、「できるだけ足を長く残したい」と訴えるケースが少なくありません。執刀医も患者さんの希望に合わせて切断部位を考慮しようとしますが、膝下で切断する下腿切断の場合、残存肢が長いと手術をしていない足との長さの差がないため、切断した足に義足をつけると義足分の長さに違いが生じるので健側の靴底を高く加工する必要があります。
また、大腿切断であれば膝関節より上で切断するので、失われた膝関節を補うため義足には膝継手と呼ばれるパーツが欠かせません。
靴を履いたりトイレで用を足すなど、日常生活の中で膝を曲げる機会は多く、これらの動作をスムーズに行えるよう膝継手の上部には義足を180度回転させる「ターンテーブル」という装置が付けられています。
しかし、装置自体に厚みがあるので、残存肢が長いとターンテーブルを組み込めない可能性があります。ですから、単純にできる限り足を長く残すのではなく、「適切な位置で切断する必要がある」のです。
近年は、足を切断された方が快適な義足生活を送れるよう義足のパーツは日々、開発が進められています。そのひとつが、残存肢をシリコーンで覆う「シリコーンライナー」です。