義足生活を快適にさせるパーツとは…摩擦を防ぎ足を保護
下腿切断でも大腿切断であっても義足を装着するにあたっては、「ソケット」と呼ばれる切断して残った足(切断端)を収納する筒状のパーツが欠かせません。かつては切断端をそのままソケットに差し込んでいたので、歩くたびに断面とこすれて痛みが生じやすく、身体的ストレスを抱えながら義足歩行を行っている方も多くいらっしゃいました。
ところがシリコーンライナーの登場により、ソケット内で摩擦を防ぎ、硬いソケットから足を保護できるようになったのです。
シリコーンライナーは清潔に保つために靴下と同じように毎日洗う必要があります。低刺激または中性のせっけんで表裏の両面を優しく洗って流水で流したら、一晩、自然乾燥させるだけです。シリコーンライナーに触れるソケットは洗う必要はなく、ソケット内部が汗でにおう場合に軽く濡れタオルなどで拭く程度で構いません。
ですが、義足のパーツによってはホコリで汚れたり直射日光で劣化するケースがあるので、定期的に義肢装具士に義足の状態を確認してもらうといいでしょう。
▽寺門厚彦(てらかど・あつひこ)1995年聖マリアンナ医科大学卒業。2005年順天堂大学リハビリテーション医学助教を務め、06年公益財団法人鉄道弘済会義肢装具サポートセンター付属診療所嘱託医。19年順天堂大学足の疾患センター装具外来を担当。