筋力が衰えている高齢者でも安全に歩ける義足はあるのか?
普段、私たちが歩こうと足を1歩前へ踏み出す際、大腿四頭筋の力を利用しています。これは太ももの前面にある4つの筋肉の総称で、膝を伸ばす作用のほか膝関節の安定性の維持を担う、歩行に欠かせない筋肉のひとつです。
病気やケガで大腿切断をすると、大腿四頭筋も必然的に切除されるので切断前のようなスムーズな歩行が難しく、歩きにくさを訴える方も少なくありません。
また膝関節より上部で切断すると、義足には失われた膝関節の代わりとなる「膝継手」と呼ばれるパーツが必要になり、膝が動くタイプか棒状に固定されるタイプのどちらかが選択されていました。ただ、前者の場合には立位の際に膝が不安定になりやすく、全身の筋力が衰えバランス力が低下している高齢者では、義足を作製しても再び歩行するのが非常に困難とされていました。