長寿社会だからこそ気をつけたい…高齢者に多い「緩徐進行1型糖尿病」

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 急性1型糖尿病になると、糖尿病の急性合併症である糖尿病ケトアシドーシスが起きる。喉の渇き、多汗、倦怠感といった糖尿病症状が急激に現れ、悪化すると嘔吐、呼吸困難、意識障害などを起こす。困ったことに過去1~2カ月の血糖値を表すヘモグロビンA1cの値があまり上昇しないことがわかっている。

■長年の2型糖尿病治療が限界に

 劇症1型糖尿病は、急性1型と同じように糖尿病ケトアシドーシスの症状が現れるが、発症者の多くは20歳以上であり、発症直前に風邪症状があることが多いことなどが報告されている。

「近年は、がん治療に使われる免疫チェックポイント阻害剤である抗ヒトPD-1/PD-L1抗体に関連して劇症1型糖尿病が発症することが報告されています」

 そうした中、最近じわじわと増えているのが緩徐進行1型糖尿病だという。

「緩徐進行1型糖尿病は1型糖尿病に含まれますが、急性発症や劇症とは違い、ケトアシドーシスに陥るケースは少なく、2型糖尿病のような発症形式をとります。そのため、2型糖尿病と診断され、治療されることがありますが、そもそも膵臓のβ細胞が破壊されているので、生活習慣をいくら改善しようと努力しても、インスリンを外から補充しない限りは症状は変わりません」

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