ひょっとしたら死ぬかも…元テレ朝アナの佐々木正洋さん髄膜炎を振り返る
佐々木正洋さん(70歳/元テレビ朝日アナウンサー)=髄膜炎など
2012年にフリーになってからというもの、次から次に病気をしました。特に印象深いのは、13年の「髄膜炎」です。「このまま死ぬんじゃないか」と思いました。
当時、サラリーマンからフリーになって収入が半減し、世の中の厳しさとがむしゃらに戦っていました。できるだけ人に会い、1カ月に名刺を800枚も配っていた頃です。精神的にクタクタになっていたんでしょうね。
ある日、朝から体がだるいときがありました。ちょうど、かみさんが女友達と2人でヨーロッパ旅行に行って、家に僕と愛犬だけだった間の出来事です。だんだん熱が高くなって、愛犬を抱っこしながら「つらいね~」なんて話しかけていたんです。すると、急に力が抜けてソファからズルズル滑り落ちてしまいました。
その日は運悪く日曜日でかかりつけ医は休み。仕方なく救急病院にかかると、「きっと風邪でしょう」という頼りない診断をされ、薬をもらって帰ってきました。でも翌日になっても熱が下がらないので、かかりつけ医を受診すると、即座に「髄膜炎かもしれない」と判断し、「もし髄膜炎だと大変なので」と午前中の診察時間のあと、先生自らタクシーで大きな病院まで連れて行ってくれました。
案の定、「ウイルス性髄膜炎」と診断され、10日間の入院を余儀なくされました。点滴治療が行われましたが、40度以上の高熱と頭痛に1週間苦しみました。それはそれは苦痛で、頭を1センチでも動かそうものならズキーン(!)とするんです。もうね、頭の芯まで痛いんです。だから頭は動かせない。寝返りを打つと痛みで目が覚めてしまって全然眠れない。朝になると、隣のベッドの人に「一晩中うなっていましたね」と言われるくらいで、つらくてつらくて本当にしんどかった。