患者さんのさりげない感想も治療方針に生かせるのが強み
「ジクトルテープ(貼るタイプの麻薬の痛み止め)がボクには合わないみたいで、1週間続けていると耳鳴りがして。薬局に聞いたらそういう副作用もあるって。すぐ中止しろっていうわけじゃないけど、そんなこと考えたら気持ち悪くなっちゃって」「なーんか夜中3時ぐらいに目が覚めちゃうの。あと脚のしびれが強くなったかな」
こんなお電話をいただき、ご自身の感想も交え、症状を教えていただくことも少なくありませんでした。
「前に朝晩飲んでいたリリカ(鎮痛薬)が一番いいみたい。それと前から先生に相談してた漢方のお薬はやめたいし、あと昼食後にソファでテレビ見て寝ちゃったときも痛みが強いんだよ。寝起きがスムーズにできるように寝る前、リリカに変更していい?」(患者)
「わかりました。まだお薬残っていると思うので、朝晩リリカ〇錠で試してみましょう」(私)
時に痛み止めの種類や飲むタイミング、または副作用などを事細かにうかがい、そのつど指示をお伝えすることも。
このように患者さんの生活スタイルに合わせて、迅速に丁寧に療養生活を支えることが理想の訪問診療だと考えますが、そのためにも「伝えるちから」と「聞くちから」。この2つの「ちから」は、もっとも大切なスキルだと言えるでしょう。