よくある介護の悩み(2)100歳近くてもリハビリで回復できるのでしょうか?
われわれの回復期リハビリ病院や介護老人保健施設(老健)には、病気やケガの治療後、あるいは超高齢で虚弱や認知症になった100歳近い患者さんがたくさん来院されます。そこで、このような質問を受ける機会もよくあります。そうした超高齢の方でも、適切な“攻めのリハビリ”を行って筋力と体力を向上させれば、しっかり回復して機能や能力も上がり、自立した生活を送ることができるようになる方がおられます。
以前、散歩中に転倒して大腿骨頚部を骨折した103歳の男性患者さんが来院されました。認知機能は正常で、骨折前は杖を使わずに屋外もひとりで歩いていたといいます。もともとの体力や身体機能が良好だと判断できたので、まずは急性期病院の整形外科で骨折の手術を迅速に受けてもらい、その後に速やかに回復期リハビリを行った結果、元気に歩いて自宅退院されました。転倒した当時よりも元気になって帰られたので、ご家族は「骨折する前よりもすごく元気になった。おじいちゃんにいったい何が起こったのだろう」と驚いていました。
また、糖尿病の合併症で右足の切断を余儀なくされた90歳の男性もいらっしゃいました。手術を行った医師からは、「もう高齢なので立位歩行は無理でしょう。車イス生活になりますが、車イス生活のリハビリをお願いします」と言われていました。