iPS細胞で心臓そのものをつくり出すのは極めてハードルが高い
心筋のほかにも、大動脈弁、僧帽弁、肺動脈弁、三尖弁という4つの心臓弁があって、それらは心筋細胞だけでなく内皮細胞や平滑筋細胞などで構成されていますし、右心房、右心室、左心房、左心室という4つの部屋をそれぞれつなぐ心内膜を接着させるための間葉系細胞が存在します。さらに、心筋に栄養を送る冠動脈があり、冠動脈は心臓の表面だけに走っているわけではなく、心筋の中までネットワークのように張り巡らされています。こうした血管の壁の中膜には血管平滑筋細胞が分布しています。
iPS細胞を使ってこうした構造や機能までを再現しようとすると、極めてハードルが高い作業といえるでしょう。再生医療で心臓という臓器そのものがつくられるとすれば、100年、200年単位のまだまだはるか未来の話だと思われます。