進むiPS細胞研究 脳の一部再生は5年で実用化と医師が展望
京大の山中伸弥教授がiPS細胞の研究でノーベル賞を受賞したのは、2012年。それから7年が過ぎ、再生医療がじわりと進んでいる。医師で作家の米山公啓氏が言う。
「iPS細胞の臨床応用は、網膜の再生でスタートし、今では心不全への臨床試験も始まっています。心不全の治療では、心臓を丸ごと再生するのではなく、障害された心筋の再生です。現状は、網膜や心筋など限られた部分の再生ですが、5~10年でその範囲はさらに広がるでしょう」
交通事故などで脊髄を損傷すると、最悪の場合、運動機能や感覚が完全にマヒする。札幌医大で行われた臨床試験では、再生治療によって完全マヒが改善する成果が報告され、世界をアッと言わせた。
「臓器や神経などの部分的な再生は、5年で臨床応用されるはず。最も難しいのは脳でしょうが、それでもパーキンソン病の治療はできるようになる見込み。パーキンソン病は、脳のドーパミン神経の脱落で、その部分の再生は京大などで研究が進んでいて、実用化が視野に入っているのです」(米山氏)
ブラック・ジャックも驚きの世界だ。