キャリア官僚の特権 佐川宣寿氏の退職金5000万円は妥当なのか
約5000万円--。国会で証言拒否を連発した佐川宣寿前国税庁長官の退職金が先日(20日の参院財政金融委員会)、明らかになった。
財務省の説明によれば、「36年間勤務して国税庁長官で退職した場合、約4999万円の退職金となる」そうだ。民間サラリーマンにしてみれば、うらやましい限りだが、キャリア官僚がウマミを享受できるのは、その先だ。実は彼らの中には、退職後の“天下り人生”で、8億円を稼ぐ猛者もいる。その稼ぎっぷりは--。
「佐川サンの5000万円は妥当なセンじゃないの。定年前で自己都合だしさ」
こう言うのは、某省の30代のノンキャリ官僚。
下っ端役人が、あっさり言うにはワケがある。国家公務員の退職金額(手当)は、法律で決まっているのだ。実際、内閣官房のホームページを開くと、「国家公務員の退職手当制度の概要」の項目がある。
「退職手当は、そこにある通り《基本額+調整額》で決まります」(内閣人事局担当者)
基本額は「退職日の俸給月額」×「退職理由別・勤続期間別支給率」×「調整率」とある。これを基に計算すると、佐川前長官の場合、「指定職の俸給月額」103万5000円(手当は含まず)×「36年勤続、自己都合」で40.7619=4218万8566円。ざっとこんな感じだ。