【惜しむ】中島敦を読むといつも「旅人」の視線を感じる
昭和17年の冬、中島敦が33歳の若さで逝った時には、彼の声価をゆるぎないものにした作品「李陵」はまだ世に出ていなかった。「名人伝」や「弟子」も同様で、わずかに「山月記」のみが、没年の7月に刊行された「光と風と夢」に収められていた。まさしく惜しまれる夭折と言っていい。そして、彼が…
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