大塚製薬「ポカリスエット」誕生秘話 メキシコ出張に行った研究員の下痢がヒントになった
スポーツの秋。そのスポーツに欠かせないのが水分補給だが、あのポカリスエットを開発するきっかけは「点滴」だったというのは本当なの?
「はい、メキシコに出張中の研究員が現地の水事情からお腹をこわして入院し、『水分と栄養をしっかり取りなさい』と医師から手渡されたのは炭酸飲料でした。研究員は『こんな時、ゴクゴク飲みながら栄養も一緒に補給できる飲み物があればいいのに……』とひらめいたそうです。
手術を終えた医師が栄養補給のために点滴液を飲んでいるのを見たこの研究員は、『のむ点滴液』というアイデアを提案し、これをヒントに日常生活において発汗により失われる水分と電解質(イオン)を補給できる『汗の飲料』をコンセプトに開発が始まりました。当社は、もともと病院などで使う点滴を手がけていましたので」(大塚製薬担当者)
これが1980年に誕生したポカリスエットだ。ちなみに、「ポカリ」に特別な意味はなく、「さわやかで、明るく青空を彷彿とさせる音の響きと語呂の良さ」から名付けたのだという。
ポカリスエットは、体の中の水分(体液)に近いイオンのバランス飲料。発汗などで失われた水分とイオンをスムーズに補給することができ、体を素早く、そしてやさしく潤す。