鳴り物入りで2024年スタート「新NISA」の落とし穴…一歩間違えば“もろ刃の剣”に
「破産しました……」
昨年、お笑いトリオ・インスタントジョンソンのじゃいさんが悲惨な現実に直面した。競馬で大勝ちしてしまったのだ。
「勝ったはずなのになぜ?」
それはハズレ馬券を経費に含めることができなかったからである。的中が1億5000万円に対して、ハズレが1億円。実質の儲けは5000万円だった。しかし、税金は“的中馬券”にだけかかるので、利益はそっくりそのまま税務署に持って行かれた。何と理不尽な!
「そりゃ競馬だからしょうがない。もともとギャンブルだし」
そう、あしらうのは勝手だ。しかし、これは決して他人事ではない。同じような問題が、われわれの周辺でも起きようとしているからだ。それは来年から始まる「新NISA」である。
■ギャンブル的な要素も…
もともとNISAは他の商品と損益通算ができない。仮にNISAで損失が出ようとも、他の利益とは相殺できないのだ。プラスの分はきっちり税金を払わされる。その一方で、「利益に対する税金がゼロ」というメリットを生かすには、投資家は「大儲けする」というのが最重要課題となっている。だって、100万円の利益の20%より、1000万円の利益の20%の方が大きいでしょ――節税効果が断然に違うのだ。