信用できない北陸電力の「問題ない」…よぎる25年前、志賀原発の重大事故隠蔽工作
データを改ざん、外部には虚偽の報告
北陸電力はかつて志賀原発の重大事故を隠蔽していたことがある。
1999年6月18日、1号機を停止し、定期検査を行った際、制御棒の試験で操作手順を間違え、3本の制御棒が引き抜かれてしまった。これにより、何もしなくても核分裂反応が起こる「臨界状態」が15分間も起こったのだ。
ところが、北陸電力は組織ぐるみでデータを改ざん。外部には虚偽の報告を行った。この隠蔽が発覚したのは8年後の2007年3月だった。
「周辺の住民を不安にさせたくないからなのか、今回の北陸電力の説明は、“大丈夫”から入っています。しかし、その説明で安心できるでしょうか。過去の隠蔽の件もあり、いまだに北陸電力に不信を抱いている人も少なくないはずです。重大な不具合が起きていたり、起きそうな場合はタイムリーに情報を公開し、アラームを上げるべきです」(松久保肇氏)
原発のリスクに楽観は禁物だ。