能登半島地震 震源の活断層を誰も知らなかった衝撃 「未知の活断層は列島に3万本」と専門家
元日に発生した能登半島地震(M7.6、最大震度7)。4日、生存率が著しく低下する、発生後72時間が経過した。犠牲者の拡大が懸念される中、懸命の救助活動が続いている。
石川県輪島市や珠洲市は壊滅的な状態でいまだ被害の全容は分かっていない。地震波の周期が長いなど被害拡大を招いたメカニズムが明らかになりつつあるが、衝撃的なのが震源の活断層が事前に把握されていなかったことだ。
今回の震源の深さは16キロと浅い。政府の地震調査委員会は2日の臨時会で、北東から南西に延びる約150キロの活断層がズレ動いたとの見解を示した。この活断層について、東大名誉教授の平田直委員長は「知られている活断層ではない」と断じた。浅い地下の150キロの活断層は未知の存在だった。
立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏(災害リスクマネジメント)が言う。
「震源の活断層が未知だったと聞いても驚きはありませんでした。政府は活断層の数を2000以上と公表していますが、それらは地表から容易に見つけられる調査で誰が見ても活断層と言えるものです。実際には、無名の断層も含めれば、少なく見積もっても3万以上の活断層が日本列島に存在すると推測しています」