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山下悠毅精神科医

ライフサポートクリニック院長。精神科専門医・精神保健指導医。令和1年12月、ライフサポートクリニック(東京都豊島区)を開設。「お薬だけに頼らない精神科医療」をモットーに、専門医による集団カウンセリングや極真空手を用いた運動療法などを実施している。大学時代より始めた極真空手では全日本選手権に7回出場。07年に開催された北米選手権では日本代表として出場し優勝。

どうすれば「自己肯定」できるのか? 自分の記憶も他人の評価もいい加減なもの

公開日: 更新日:

 その上で、他者からの評価が自己形成に大きく関わってくる。

「『〇〇さんは優しい人』と言われれば、『自分は優しい人』と自覚しますし、誰かと競って評価されると『自分は〇〇が得意な人』と認識する。しかし、他者からの評価は必ずしも真実というわけではありません。おべっかを言う人もいれば、あえて意地悪を言う人もいる。ところが、人は他者からの評価をもって、『自分は〇〇な人だ』と信じてしまうのです」

 自分の記憶は、数ある記憶の中から都合の良いものを選び、他者からの評価も第三者の主観や誤認が珍しくないため、山下医師は「“自分という概念”は存在しない」と言い切る。

「多くの人が、なぜ自己肯定感の不足に悩まされるのか……その答えもここにあります。そもそも『存在していない自分』を肯定することはできないからです」

 では、どうすればいいのか。

「①の自分に対する記憶に関しては、過去の記憶に対しての捉え方を変えていくことです。良い記憶はそのまま、嫌な記憶については『そこから何を学べたのか』を自問自答し、その出来事を自身の行動を変えるチャンスにしていく。②の他者からの評価に関しては、自分の仲間や味方を増やす生き方を学ぶことが大切で、私は(自己愛の)コフート心理学を推奨しています」

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