「刑務所に入りたいから」が犯行動機 そんな“無敵の人”の凶行から免れる防御策はあるのか
■ホーム突き落とし、電車内切り付けの恐怖
防犯カメラやホームドアなどの隙をついて出られると、テロ行為は防ぎようがない。
「公共交通機関などを利用する限り、絶対的な防御策はありません。特に今はスマホに集中していたり、イヤホンで耳をふさがれていたり、無防備状態の人が少なくありません。不特定多数の人が集まる場所に行くときは、そうした事態を想定することで、被害者になることは多少なりとも避けられると思います。例えば、通勤・帰宅ラッシュの時間帯をなるべく避ける。半径5メートル程度の周囲を観察する。目つきや挙動、外見などに異変がある人がいたら、近づかない、車両を変える、すぐに逃げる。ホームの端っこには立たないなどです」(田代篤氏)
2021年10月31日、京王線の車内で起こった、「ジョーカー」に扮した男による無差別殺人未遂事件も記憶に新しい。
凶行に走る際の心理状況は常軌を逸しているため、「予想外の行動はもちろん、犯人が異常な怪力を出すこともある」(捜査関係者)。格闘技の心得があっても、とっさの場面では命を奪われるケースもあるという。