死を悟ったネコが最期にどこかへ…「心残り」を軽くする受け止め方
■「ご供養してもらいました」の貼り紙を
時々、そういうネコちゃんの遺体を連れて来てくださる方がいます。その子の供養は引き受けますが、お願いもあります。遺体を保護した場所にその子の特徴と日時を添えて、「ここで亡くなっていました。ご供養してもらいました」という紙を数日、貼っておいてください、と。
それが、愛猫を失った飼い主さんの「心残り」を少しだけ軽くすると思うのです。
困るのは、当院の前に遺体を段ボール箱などに入れて放置するケースです。
「動物病院の前だから供養してくれるだろう」と思うのでしょうが、飼い主さんなのか、地域の人なのか、保護された場所も分かりません。地域の方だとすると、保護した場所で飼い主さんが捜しているかもしれません。このケースだと、供養したことを伝える貼り紙ができないのです。
では、室内ではどうかというと、部屋の隅や押し入れ、クローゼットなど、ネコちゃんの落ち着く場所で亡くなっていたという話は珍しくありません。シニアで老衰していても、歩けるうちはお気に入りの場所を求めて移動することがありますから。