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和田秀樹精神科医

1960年6月、大阪府出身。85年に東京大学医学部を卒業。精神科医。東大病院精神神経科助手、米カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、和田秀樹こころと体のクリニック院長。著書多数。「80歳の壁」(幻冬舎、税込み990円)は現在、50万部のベストセラーに。最新刊「70歳の正解」(同)も好評発売中。

高齢者男性が陥りがちな“カネ持ちパラドックス” 時には子供に「嫌われる勇気」を持つべき

公開日: 更新日:

 妻に先立たれたり、離婚したりした男性が、その後に良縁に恵まれることはあるでしょう。それで再婚を考えたとき、女性の人柄に問題がないのに子供などから反対されやすいのが、男性におカネがあるケースです。私はこれを「カネ持ちパラドックス」と呼んでいます。

 一般に経済的に豊かであれば、不自由するリスクは少なく、経済的な豊かさの意義は大きいはずで、その分だけ幸せになれる可能性が高いでしょう。ところが、経済力があるがゆえに、不幸な結果を招きやすいのが、カネ持ちパラドックスです。

 たとえば、宝くじなどで一獲千金を手にした人が後に生活を乱して不幸な余生を招いたりするのは、カネ持ちパラドックスのひとつといえます。もうひとつは、裕福な中高年男性が子供などに再婚を反対されたりするケースです。

 家に財産がなければ、再婚を考えている女性を紹介された子供は「よかったね。おめでとう」と素直に男性を祝福するでしょう。女性は男性の介護をする可能性が高いので、子供は介護の心配がなくなったことに内心、ホッとするかもしれません。

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